扱いが難しすぎた:アントニオ・コンテの浮き沈みの裏話
めちゃくちゃ久しぶりの投稿。
アントニオ・コンテがチェルシーの監督を解任されたということで、
このめちゃくちゃこじれた物語について
イブニングスタンダードのチェルシー番(https://twitter.com/sjstandardsport)が
長編記事をアップしているので訳していきます。
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「火の海(のような情熱)」を創り上げると約束したが
最終的には、ボードの好みの監督となるには扱いが難しすぎた。
アントニオ・コンテは西ロンドンのクラブを大きな誇りと共に去る。
例え事態がこれだけ悪化してしまったとはいえ、彼の政権は未だに成功と受け取られるに違いない。
1年目に予想外に優勝したプレミアリーグは、彼が「ミラクル」と表現したように
その前のシーズンで10位だったクラブとしては信じられない成果だった。
そしてイタリア人のイングランドでの最後となる試合は、
最大のライバルであったジョゼ・モウリーニョの出し抜いてのFAカップ優勝となり
17/18シーズンにおいてプレミアリーグのクラブでは
マンチェスター・シティ以外の唯一のトロフィー獲得クラブとなった。
意外なことに、誰もが彼の監督としての”余命”は数えられる程度だと思っていたのにも関わらず、彼にp45(職務停止)が言い渡されるまでには8週間を要した。
解任補償を巡った下品な膠着状態は、事がどれだけ辛辣になってしまったかを晒した。
コンテは辞任を拒否し、チェルシーは支払いを拒否する。
そして両者の来季への評判や展望は良化したかというと、そうではない。
コンテがチェルシーのプレシーズンの最初の4日を担当した茶番劇は、事態の要約みたいなものだ。
彼は弁護士達を満足させるため、仕事を止めずにはいられなかったのだ。
(無断欠席すると、補償の減額は間違いないからではないかと。)
チェルシーは他のクラブとは違う労働形態を採っていたことを
コンテは2016年に仕事を引き受けた時に知っておくべきだった。
最初の12ヶ月で移籍市場における支援が不十分だと感じた彼は狼狽したように
リーグ優勝することが自分の権限増大に繋がると勘違いをしてしまった。
コンテは選手獲得において最終決定の権限を欲していたのに加え、アカデミーをコントロールすることも狙っていた。
両方のリクエストは拒否され、ボードとコンテの間の対立は増していった。
一時には、昨夏にコンテが辞任することもあり得る状況だった。
彼がタイトルを獲得したシーズンの終わりに、
ディエゴ・コスタに対して「プレーするクラブを探せ」とテキストを送り付けたことは
彼のリクエストを受容することにおいて障壁となった。
いずれにせよ、チェルシーはスペイン人ストライカーの要求をのむことになったのだが。
とはいえ、コンテの行動のせいでで1月にコスタが加入することになったアトレティコ・マドリードとの交渉は長引き、コスタの親友であったダビド・ルイスとウィリアンを動揺させた。
顕著だったのは、両ブラジル人ともコンテのチームから外された期間があったことだ。
そして堅苦しい平和が首脳陣とコーチの間で交わされた。
両者はプレシーズンの前日に契約延長ではなく増給することに合意したが
不安定な気配は決定的なものになった。
昨年7月、コンテは公に自分の手元にいる選手たちについて不満を打ち明けた。
「我々はスカッドと質を改善しなければならない。何故なら来季は我々にとってとても厳しいものになるからだ」とは彼の発言だ。
この爆発のタイミングを踏まえて、チェルシーは史上最高額でアルバロ・モラタをレアル・マドリードから補強したのに加え、彼の更なるターゲットであるティエムエ・バカヨコ、アントニオ・リュディガー、ウィリー。カバイェロも到着した。
にもかかわらず、コンテは止まらなかった。
オリヴィエ・ジルー、ロス・バークリー、エメルソン・パルミエリを獲得した1月の移籍市場閉幕に際して、「私のタスクは改善することだ。昨夏以来、クラブが全ての獲得を決めている。」と彼は言った。
ヴァージル・ヴァン・ダイクとアレクシス・サンチェスを獲得失敗したとはいえ
バカヨコ、モラタ、ダヴィデ・ザッパコスタはコンテが望んだ選手たちだ。
彼のフラストレーションの主要な源となったのが、ユベントスでも指導したフェルナンド・ジョレンテをトッテナムに遅れを取ったことだった。
チェルシーは32歳のストライカーに£14mを支払うことに関して納得していなかった。
実際、彼は昨季スパーズで苦戦し、それは正しかったことが示された。
もう一人コンテが取り逃した選手が、アレックス・オクスレイド・チェンバレンだっ
が、彼はユルゲン・クロップの積極的な姿勢と、彼の望むセントラルミッドフィールダ
ーとしての起用を約束してくれたことにに魅力を感じていた。
何が2016/17シーズンにおけるコンテをスペシャルな存在にしたかというと
彼は「在るものからすべてを引き出した」からだ。
うまく順応できていなかったヴィクター・モーゼスを信頼できるウィングバックに変身させたことは大きな手柄で、彼の指導力を反映したものだ。
彼の情熱的で分かりやすい人柄は、サポーターにも楽しみをもたらした。
しかし昨シーズンの彼の暗いムードは、彼が鼓舞していたはずの選手たちに悪影響を及ぼした。
選手たちは以前なら試合の為の休息日だった日に練習を要求された。
負傷が増えたことや、エデン・アザールを始めとした、48歳が続投するならばクラブを離れると目される主要な選手がいたことに驚いた人は少ないだろう。
ビッグゲームにおけるゲームプランも保守的になりすぎた。
エデン・アザールはマンチェスター・シティ戦において”偽9番”で出場し
174㎝の選手めがけてロングボールが蹴られ続けた。
モウリーニョとの下品な舌戦の方がもっと話題になったが、実はコンテは難しい時間を過ごしていたアーセナルのアーセン・ヴェンゲルに対しての対戦成績も貧弱なものだった。
2018年開始後、20試合で5勝しか上げられなかったことが、彼の離脱を決定づけた。
チェルシーが勝ち始めるころには、チャンピオンズリーグ出場権は手の届かないところまで遠のいていた。
FAカップ優勝は良い終わり方だったが、実際にはその頃には既に
コンテの炎は消されていたのだった。
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4月までずっとコンテを擁護してきて4/1のスパーズ戦(1-3)でコンテ続投を悟ったけど、いざ見返すと、コンテには非も沢山あったし、何より48歳の態度ではないなと。
選手たちもコンテの顔色を見ながらプレーしてたんだと思うと。
バルサ戦、ユナイテッド戦、スパーズ戦、みんな先制してから追い付かれてる。
本当の意味で全く団結出来てなかったんだろうなっていう。
スパーズ戦のアリのゴールとか象徴的で、アスピリクエタとクリステンセンがゴール前でクリアを譲り合ってる。
アスピリクエタは足が折れてもクリアする男だったろ、っていう。
でも、やはりボードの昨季の移籍市場での迷走っぷりはひどすぎた。
ただ、もう金額で競える時代じゃなくなったし、アブラモビッチのビザ、スタジアム建設もある。
正直サリやジョルジーニョでクラブの未来がパァッと明るくなったとは思えないし
これからもいばらの道。
サリを早期解任するならいよいよマジでヤバいんで、慎重に行こう。
って言ってるそばから、シーズン開幕まであと4週間しかねえし。ʅ( ツ)ʃ